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「獺祭」山口県の小さな酒蔵?

旭酒造はもう、山口の山間の小さな酒造屋さんではない。山間の銀色に光る巨大な醸造所を持った日本を代表する酒蔵だ。旭酒造の歴史と獺祭との関係は、日本酒業界における顕著な成功例だ。1984年に桜井博志氏が社長に就任して以来、旭酒造は破綻寸前の状態から、年間138億円以上の売上を達成する世界的な酒蔵へと変貌した 。この成功は、品質に対するこだわり、革新的な製造プロセス、そして国内外での積極的な市場開拓によるものだ。

2018年7月旭酒造ゆかりの久杉橋が、西日本豪雨で破壊された。それを隈研吾建築都市設計事務所が設計し、旭酒造が建設費の一部を寄付で賄う、地域のシンボルとして新たな橋となった。 日本の伝統的な大工仕事とモダンなデザインを組み合わせたこの橋は、獺祭の工場と店舗の近くに建っており、回復力と革新性を象徴している。

獺祭(だっさい)のなかでも代表的な純米大吟醸酒「磨き二割三分」は高い評価を受けてる。この銘柄は、米を23%まで磨き上げる製法で知られ、日本国内外で広く愛されている。

DASSAI BLUEは獺祭の姉妹ブランドで、アメリカ合衆国ニューヨーク州にある「DASSAI BLUE SAKE BREWERY」で製造されており、2023年9月25日から販売が開始され、ラインアップには「タイプ50」「タイプ35」「タイプ23」の3種類がある。この酒蔵の設立は、海外での更なる成長と市場開拓を目指す旭酒造の戦略の一環だ 。

旭酒造の成功の要因の一つは、従来の杜氏制度を廃止し、社員自らが酒造りに携わる体制を確立した事に起因する。これにより、品質管理においてより柔軟かつ迅速な対応が可能となり、四季醸造による生産能力の増強や品質の向上を実現した。

桜井氏は、データを活用した現代の設備やシステムが重要であるとも語っており、日本酒造りにおけるデータの活用が旭酒造の製品品質をさらに高めることに貢献している。

海外市場における獺祭の成功は、桜井氏自身が海外での市場開拓に力を入れ、品質管理や保存環境について厳しい基準を設けてきた結果で、中国市場など、新たな市場の開拓が売上伸長の大きな要因となっている。

今後、旭酒造は獺祭ブランドのさらなる強化と、国内外での市場拡大を目指し、その一環として、パリに直営店をオープンするなど、海外での直接販売にも力を入れている。このような戦略は、旭酒造が国際的な日本酒市場での地位をさらに確固たるものにすることを示している。

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