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奈良県-天河大辨財天社

辨財天とは、そもそも川の流れる様を神格化した古代インドのサラスヴァティー神であり、その本来の神徳は水の神のことだ。それから転じて、水のせせらぎの如く妙なる弁舌や音楽の神になり、日本の古代より行われてきた水神の信仰とも結びついた。後に転じて「財を弁ずる」商売の神として信仰されるようになった。

そもそも天河大辨財天社は、飛鳥時代に龍、水分の信仰で代表され古代民族信仰の発祥地とされる霊山大峯の最高峰弥山の鎮守として役行者が勧請したのが始まりとされている。その後、天武天皇が「壺中天」の故事にならい、現在の地、坪の内に建立し吉野総社の社格も与えている由緒ある神社だ。

今では芸能関係者が良く参拝されるそうだが、それは弁財天が芸能の神様と言われるようになっているからだが、僕は違った意味で天河大辨財天社に注目している。

キーワードは辰砂だ。近くには丹生川が流れており、丹生川上神社上社、中社、下社が鎮座している。そして役小角、弘法大師、南朝だ。高野山の開山に先立って大師が大峯で修行したが、修行中の最大の行場が天河社だった。大師が唐から持ち帰った密教法具「五テン鈴」や真言密教の神髄に纏わる遺品が沢山奉納されている。

天河大辨財天社の拝殿にある有名な本坪鈴は「五十鈴」と言い、五つの渦が巻いた玉で出来ている。この音は五十の神様に語り掛ける言霊だそうだ。でも社務所で頂ける五十鈴は三つの玉を合わせたものなんだけどね。

それはさておき、この五十鈴はアメノウズメノミコトが天照大御神を天岩戸から出て来て貰う時に腰に付けて踊った神代鈴だと言われている。この3つの球形はそれぞれ「いくむすび」「たるむすび」たまずめむすび」と呼ばれ、三つの重要な魂の状態を表してるのだとか

そしてココは、「高野」「吉野」「熊野」といった日本三大霊場の真ん中に位置している。

なかなか真実まで辿り着くのは手強そうです

そうそう、近くに在原業平のお墓、五輪塔がありました、彼もココに何度か尋ねてきてるみたいです

昔は“縁がなければ、たどり着けない場所”といわれた場所なんですがね

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